コードバンの革靴には、どんなクリームを使えばいいのか――普通の革靴と同じでいいのか、それとも専用のケアが必要なのか、悩む方も多いはずです。大切にしたいからこそ、間違ったお手入れは避けたいですよね。
牛革は繊維が水平方向に走っていますが、コードバンは垂直方向にぎっしりと繊維が詰まっており、非常に丈夫で長持ちするのが特長です。使い込むほどに、あの独特な美しい光沢が増していくのもコードバンならではの魅力。
その美しさを保つためには、コードバン専用のクリームを使った正しいケアが欠かせません。この記事では、コードバンに合うおすすめのクリームとお手入れ方法を詳しくご紹介します。
コードバンのお手入れにおすすめのクリーム

コードバンのお手入れにおすすめのクリームをご紹介します。
まず、靴クリームといえば外せないのがサフィールノワール。コードバン専用クリームも用意されており、品質・仕上がりともに高評価です。
革の色味にしっかり合わせたい方には、ブランド純正のクリームを選ぶのも安心。色ブレが少なく、仕上がりの一体感が得られます。
一方、初心者の方やまずは扱いやすさを重視したい方には、コロニルのニュートラルタイプがおすすめ。無色で使いやすく、ナチュラルな光沢と保湿効果が得られます。
サフィールノワール コードバンクリーム

コードバンは一般的な革よりも水分に弱いため、使用するクリームも水分量が少なめで硬めのタイプが適しています。こうしたクリームは、コードバン特有の深く美しいツヤをしっかりと引き出してくれる心強い存在です。
お手入れの際は、少量を薄く均一に伸ばしながら丁寧に磨くのがポイント。ただし、時間が経つとクリームが革の表面で固まり、白く粉を吹いたように見えることがあります。
その場合は慌てずに、馬毛ブラシや柔らかいクロスで軽く磨き直すことで、元のツヤがすぐに戻ります。正しい使い方を知っておけば、コードバンの魅力を長く楽しむことができます。

オールデンなら純正クリームも

色味をしっかり合わせたい方には、純正のコードバンクリームがおすすめです。ツヤ出し効果が高く、一般的なクリームよりやや硬めの質感が特長。少量でもしっかり伸びるため、仕上がりに深みのある光沢を与えてくれます。
さらに純正クリームは容量が多めに作られていることが多く、一度購入すれば長期間使用できるのも嬉しいポイント。オールデンを複数所有している方や、定期的にケアしたい方にとっては、コストパフォーマンスの面でも優れた選択肢です。

コロニル1909のシュプリームクリームデラックス

「コードバン専用じゃないの?」と不安になる方もいるかもしれませんが、実は必ずしも“専用”である必要はありません。大切なのは、コードバン特有の性質に合ったケアを行うことです。
コードバンを美しく仕上げるには、次の2点を意識する必要があります。
- 履きジワを美しく見せること
- 繊維の荒立ちを抑えて磨くこと
このため、ロウ分や油脂が多すぎる靴クリームは不向きな場合があります。とくに履きジワ部分にクリームが固まると、乾燥後に粉吹きが起こりやすく、見た目を損ねてしまいます。
そこでおすすめなのが、コロニルのシュプリームクリームデラックス。コードバン専用ではありませんが、適度な保湿力とサラッとした使い心地で、初心者にも扱いやすい一本です。さらに、フッ化炭素樹脂配合でしっかりとしたツヤ感も出せるため、コードバンの魅力を十分に引き出してくれます。

モゥブレィ アニリンカーフクリーム

コードバンのお手入れにおすすめのアニリンカーフクリームは、繊細な仕上げの革にも安心して使える高保湿タイプのクリームです。天然成分が革にじんわりと浸透し、コードバン特有の美しい光沢としなやかさを引き出します。無色タイプで色ムラやシミになりにくく、色付きコードバンにも対応。伸びがよく扱いやすいため、初めてのケアにも最適です。防汚効果もあり、コードバンを美しく長持ちさせたい方にぴったりの一本です。

コードバンのお手入れは意外と簡単!

コードバンはデリケートな素材ですが、状態が良ければお手入れはとてもシンプル。
クリームを軽く塗ってブラッシングするだけで、あの美しいツヤがよみがえります。
たとえ繊維が乱れてツヤを失っても、繊維を整えるお手入れをすれば、すぐに滑らかな光沢を取り戻せます。
コードバンお手入れの基本ステップ
まずは馬毛ブラシなどでホコリを払い、リムーバーで表面の汚れや古いクリームをやさしく落とします。
コードバン用クリームを塗布用ブラシに取り、革全体に軽く塗り広げるだけでOK。強く刷り込む必要はなく、薄い膜を乗せるようなイメージで手際よく塗るのがポイントです。
ツヤが失われているときは、かっさ棒やスムーサーなどを使って繊維を押さえ、滑らかに整えましょう。とくに履きジワの部分は荒れやすいので、丁寧に。
馬毛ブラシで全体をブラッシングし、クリームをなじませます。その後、きれいな柔らかい布で乾拭きして仕上げます。これでしっとりとした自然なツヤが復活。
よりツヤ感を高めたい方は、ワックスを使った鏡面仕上げ(ハイシャイン)も可能です。
ポイント:繊維を押さえてツヤを出すのがコードバンケアのコツ!
通常の革とは違い、コードバンは繊維の荒れを抑えてツヤを整えることが大切です。正しい手順で丁寧にケアすれば、美しさは何度でも蘇ります。
古いコードバン靴の復活メンテナンス

コードバンは「復活できる」特別な革
コードバンの最大の魅力は、傷がついても美しく蘇るという点にあります。他の革では難しい細かいキズの修復も、コードバンなら可能。使い込むことで深みを増し、しっかり手をかければ何年経っても美しく保てます。
オールデンはコードバンの象徴的存在
中でも「Alden(オールデン)」は、コードバン革靴の代名詞的ブランド。コードバンの魅力を語るうえで欠かせない存在であり、多くの人が憧れて手に取る一足です。「一生モノ」として選ぶにふさわしい靴といえるでしょう。
中古コードバン靴を選ぶ楽しさも
コードバンは繊維が非常に緻密で、ひび割れしにくく、復元性が高いのが特徴。お手入れに慣れてくると、中古靴の状態も見極められるようになります。適度に履かれた良質な中古品を見つけて、自分の手で育てていくのも、また一つの楽しみ方です。
長く履けて、コーディネートの幅も広がる
新品のコードバン靴を育てるのはもちろん、状態の良い中古靴を復活させるのも賢い選択。ケアをしながら永く履ける革靴だからこそ、2足目・3足目とローテーションしやすく、スタイルの幅も広がります。
まとめ|コードバンは手をかけるほど応えてくれる、一生モノの革

コードバンは、他の革では得られない奥深いツヤや復元力を備えた、まさに「育てる楽しさ」が詰まった特別な素材です。新品はもちろん、中古でも丁寧にメンテナンスすれば驚くほど美しく蘇り、長く愛用できます。
日々のケアでは、乾拭きやブラッシング、専用クリームでの栄養補給が基本。繊維が乱れたときは、かっさ棒などで整えることで、ツヤを取り戻せます。ローテーションや適切な保管、クリームの選び方を工夫すれば、10年・20年と履き続けることも夢ではありません。
履くたびに味わいが増し、自分だけの一足に育っていくコードバン。大切に付き合えば、一生モノの相棒になります。あなたもぜひ、コードバンとの長い時間を楽しんでみてください。