革靴を長く美しく保つために欠かせないのが、靴クリームです。靴クリームにはさまざまな種類があり、用途や仕上がりによって選び方が変わります。この記事では、筆者が10年間使い続けたおすすめの革靴クリームを紹介し、その特徴や種類ごとの使い分け方も徹底解説します。これから革靴のケアを始めたい方にも、プロフェッショナルな仕上がりを求める方にも役立つ情報満載です。
革靴クリームの種類と用途
革靴クリームには大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴と用途を理解することで、靴に最適なケアができるようになります。
大きく分けても5種類のクリームに分類され、保革・保湿・革の保護・艶出しなどそれぞれ用途が異なります。
- デリケートクリーム
- 乳化性クリーム
- 油性クリーム
- ワックス
- 保革ローション
これらの成分は、水分・油脂・ろう・有機溶剤の含有割合によって目的が変わってきます。
❶デリケートクリーム
- 特徴:主に柔らかい革やデリケートな素材に使用され、保湿と栄養補給を重視しています。革に優しく、乾燥やひび割れを防ぎますが、光沢や補色は控えめです。
- 用途:アニリンレザーやラムスキンなどのデリケートな革、もしくは光沢を出さずにしっとりとした仕上がりを求める靴に最適です。
デリケートクリームは、革本来の風合いを大切にしたい場合に適しています。水分・油脂・ろうで構成されていて、中には有機溶剤も含むものもあります。基本的に色は、無色のものになりますが、他のクリームよりも水分量が多く、伸びやかでムラになりにくいクリームで保湿効果もあります。指や布を使って革靴に塗布し、満遍なく薄く塗ってそのまま布で磨いて利用します。
用途
- 艶を出したくない靴磨き
- 他の革製品のお手入れ
お値段手ごろなものが多く、靴以外の革製品のお手入れにも使いたい方におすすめのクリー
❷シュークリーム(乳化性クリーム)
- 特徴:革に栄養を与え、柔軟性を保ちながら、適度な光沢を引き出すクリームです。保湿と補色、そして光沢をバランスよく与えます。
- 用途:ビジネスシューズや日常使いの靴に最適で、長期的な革のメンテナンスに向いています。
ツヤ出し、保湿効果と、とにかく革靴をきれいに元気にしたいときに使えるクリーム。成分は、水分・油脂・ろう・有機溶剤が含まれ、革に弾力を与えてくれたうえで、革に艶をもたらしてくれます。
靴に、ぺネレイトブラシや指で塗布し、豚毛ブラシでブラッシングしながらツヤを出して使います。
用途
- 革を元気にしたい時
- 革靴の艶出し
- 細かな傷を隠しながら磨く靴磨き
靴磨き始めたては、伸びやかで扱いやすく、色の展開の多さでこの乳化性クリームをおすすめします。
❸シュークリーム(油性クリーム)
革靴全体を高級感のあるツヤを出したい時に使うクリーム。ろう・油脂・有機溶剤で構成され艶出しに特化し、栄養が十分な革に、より深みのあるツヤを求める際に利用します。
他のクリームに比べ、より薄く塗り伸ばすことで革の乾燥を防ぎながら艶を楽しむことが出来ます。
用途
色の展開や用途は、乳化性クリームに似ていますが靴磨きに慣れた方に向いているクリームです。
- 定期的にメンテナンスを行う際
- 艶をより楽しみたい
- 革靴全体にツヤを求める時
重厚な輝きを求める方におすすめの靴クリームです。
❹ワックス(ハードワックス)
- 特徴:表面に強い光沢を与え、革靴を保護します。鏡面仕上げや靴のツヤを重視する方に人気がありますが、保湿効果はやや低めです。
- 用途:フォーマルな場面でのビジネスシューズや、光沢を重視したい革靴に使用します。
革の通気性を損ないますが、つま先やかかの傷の予防効果もあり、鏡面の見た目を好む方に向いているクリームです。
- 革の傷予防
- 雨などの水の侵入を防いでくれる
- つま先などを傷から守りたい
ピカピカの革靴を求める方におすすめのクリームです。
❺保革ローション
ローションタイプなので、水分量が多く汚れ落としにも利用。水分・油脂・ろうで構成され、乳化性クリームの仲間と言ってもいいでしょう。汚れ落としの効果もありますが、リムーバーなどの汚れ落とし専用の溶剤に比べると、汚れの落ちは劣ります。
リムーバーでゴシゴシしてしまうと革を痛めてしまいますので、革をできるだけ痛めることなく汚れを落とす際に活躍します。
柔らかい布にとって、なでるように汚れを拭き取っていきます。
用途
- 汚れを落としながら保革をしたとき
- デリケートな皮革の汚れ落とし
ムラになりにくく、リームバー(汚れ落とし)での皮革の痛みが心配で、安心して、汚れを落としながら保革したい方におすすめ。
10年間使い続けたおすすめの革靴クリーム3選
1. サフィール クレム1925
- 特徴:シアバターやビーズワックスなどの天然成分が含まれており、保湿力と補色力に優れています。自然な光沢としなやかさを与え、革靴を美しく長持ちさせることができます。
- 用途:日常の革靴ケアに最適で、特にビジネスシューズやお気に入りの革靴におすすめです。革を柔らかく保ちながら、光沢のある美しい仕上がりを提供します。
用途 | 革革製品の保革、補色、保護、ツヤ出し |
成分 | テレピン油や蜜蝋、シアバター、スイートアーモンドオイル、ホホバオイルなどに代表される、選りすぐられた天然原料のみを使用 |
容量 | 75ml |
特長 | 天然のビーズワックス(みつろう)ベースで、こちらも保湿力の高さが特徴 |
生産国 | フランス |
2. M.MOWBRAY デリケートクリーム
- 特徴:デリケートな革やソフトレザーに最適なクリームで、特に保湿効果に優れています。光沢は控えめで、革に栄養を与えつつ、自然な仕上がりを求める場合に適しています。
- 用途:柔らかいアニリンレザーやラムスキンなど、デリケートな革靴やバッグに使用するのに最適です。
用途 | 保湿 |
成分 | ラノリンエマルジョン、可塑剤エマルジョン、セルロース濃縮液、香料 |
容量 | 60ml |
特長 | 油と蝋の配合が少なめで、水分が主体のクリームで、マットに仕上げたい時に最適 |
生産国 | イタリア |
3. ブートブラック ブラックライン クリーム
- 特徴:強い光沢を簡単に得られるクリームで、短時間でプロフェッショナルな仕上がりを実現します。補色効果が高く、革の色を鮮やかに蘇らせます。
- 用途:鏡面仕上げや、フォーマルな場面で使用する革靴におすすめ。しっかりとしたツヤを求める方に最適です。
用途 | 栄養補給と補色効果 |
成分 | ろう、油脂、有機溶剤 |
容量 | 55ml |
特長 | 革との結びつきをより高めるためにコラーゲン(タンパク質成分)を配合し、革自体がタンパク質を主成分としているため、クリームが革に相性よく馴染みます。 |
生産国 | 日本 |
靴クリームの選び方のポイント
革の種類に合わせる
革靴の素材に合ったクリームを選ぶことが重要です。デリケートな革には、デリケートクリームを使用し、堅めの革にはシュークリームやワックスが適しています。
仕上がりを考える
自然な光沢を求めるならシュークリーム、強い光沢を求めるならワックス。保湿重視であればデリケートクリームがおすすめです。靴の使用シーンや求める仕上がりに合わせて選びましょう。
補色が必要かどうか
革靴の色が褪せてきた場合は、補色効果のあるクリームを選ぶのがポイントです。無色のクリームは補色効果が少ないので、革靴の色を維持したい場合にはカラークリームを使用しましょう。
靴クリームの使い方
- 靴の表面を清潔にする
まず、靴の表面の汚れやホコリをブラシで軽く落とします。必要に応じて専用のクリーナーを使って古いワックスや汚れをしっかり落としましょう。 - クリームを少量塗布
靴全体にクリームを少量取って均一に塗り広げます。力を入れずに、優しく塗り込むことがポイントです。 - 浸透させて磨く
クリームが革に浸透するまで数分置き、その後、柔らかいクロスで靴を磨いて自然な光沢を引き出します。
手順
まず、靴の表面の汚れやホコリをブラシで軽く落とします。必要に応じて専用のクリーナーを使って古いワックスや汚れをしっかり落としましょう。
靴全体にクリームを少量取って均一に塗り広げます。力を入れずに、優しく塗り込むことがポイントです。
クリームが革に浸透するまで数分置き、その後、柔らかいクロスで靴を磨いて自然な光沢を引き出します。
まとめ
革靴のケアには適切なクリーム選びが欠かせません。10年間使い続けた中で、特におすすめできるサフィール クレム1925、M.MOWBRAY デリケートクリーム、ブートブラック ブラックラインのクリームは、それぞれ異なる仕上がりと用途を持っています。革の種類やケアの目的に応じて、最適なクリームを選んで長く美しい革靴を楽しみましょう。
10年間使い続けている2つのクリームをご紹介いたします。長く愛用しているクリームになりますので、参考にしてみてください。
商品 | 画像 | 購入場所 | コメント | ツヤ感 | 伸び |
---|---|---|---|---|---|
ブートブラック シルバーライン | |||||
ブートブラック ブラックライン | |||||
コロニル シュークリーム | |||||
コロンブス レザリアン | |||||
モゥブレィ シュークリームジャー | |||||
ライオン靴クリーム本舗 エクセレントクリーム | |||||
サフィール ビーズワックス ファインクリーム | |||||
ヴィオラ シュークリーム | |||||
ライカ 靴職人 靴クリーム |