もうつま先が削れてしまった…削れるの早いなぁと大切な革靴を履き始めるといつもがっかりしますよね。
新しい革靴のつま先のいい補強方法はないのか、カッコイイ修理方法はあるのか。少しでも、おろしたてのがっかりをなくすために、購入後すぐに行いたい補強方法を含め、つま先の削れ対策について調べてみましょう!
さらに、その中でも自分でDIYできる方法についても実践してみました。
革靴のつま先が削れた時の修理・補強方法
つま先の補強方法には、素材の異なるいくつかの修理方法があり、費用面だけでなく、それぞれメリットやデメリットがあります。
- 先小当補強
- メタル補強
大きく分けると傷みやすいソールのつま先を、レザーやラバー素材で当てて補強する方法とメタル素材の当て素材をビスで施工する補強方法です。
これらの方法に、それぞれの素材ごとの特徴があるため見ていきましょう。
1.先小当
レザー補強とラバー補強があります。
- レザー補強
メリットは、着用感がいいところですが、レザーソールにのみ対応。ラバーに比べ、耐久性い劣ります。 - ラバー補強
一番多い補修方法で、履き心地は若干劣りますが、ソールは、レザーラバー共に対応可能。耐久性がいいのが特徴
PHOTO参照:楽天市場
レザー(牛革)補強
費用2000~3000円、所要時間の目安として日帰り〜1日、見た目も良いのが特徴ですが、費用は高くなります。同じ素材で補修することになるため、また何年かしたら補修しなければいけません。
なるべく同じような皮を使うとしても仕上がりは絶対同じになるとは限らず、レザー補修でなくラバー補修ですすめられることも。
ラバー補強
費用1500〜2500円、所要時間の目安として日帰り〜1日、ラバーソール同士であれば見た目も悪くありませんが、レザーソールをラバーで補強すると爪先だけゴム製で色も変わってしまい見た目が悪くなってしまう場合もあります。
しかし、レザー素材の靴でも爪先だけラバーの素材の革靴も多いので気にする範囲ではないでしょう。
2.メタル補強
メタル補強はスチール・トゥスチール(トゥスティール)とも言われ、革靴のつま先に付ける厚さ数mmの金属になります。
日本人に多い足運びがすり足気味の場合、メタル系の補修は、歩行時に滑ってしまうこともあります。歩き方によってはカチカチと音がしたり、床に傷をつけてしまう補修方法なので、踏まえて検討しましょう。
また、金属なので雨など水に濡れてしまうとサビて、他の靴の部分に影響を与えてしまうことも。スチールやステンレス製を使っていれば問題ありませんので、素材にはこだわる必要があります。
主なトゥスチール
- ビンテージスチール
(トゥを削る埋め込み式) - ジェリーフィッシュ
(非埋め込み式) - トライアンフスチール
(トゥを削る埋め込み式or非埋め込み式)
ビンテージスチール
ソールのつま先を少し削り、そこに埋め込むことで段差のないフラットな仕上がりになり、見た目も前・横からはほとんどわかりません。
価格は2,000~4,000円程度
PHOTO参照:楽天市場
ジェリージェリーフィッシュ
見た目についてはあまり好きでない方もいるでしょう。
補修としてラバーソール対応不可でレザーソール対応は可能です。
価格は2,000~4,000円程度で埋め込み式ではない為、自分でもDIYすることができます。
PHOTO:楽天市場
トライアンフスチール
ソールを削る埋め込み式かソールを削らずに装着する非埋め込み式があります。
埋め込み式はゴールドタイプをよく見かけますが、メッキのため剥がれるとシルバーの色になります。
また、ビンテージスチールより面積が広く、多少滑りやすいかもしれません。
価格は3,000~5,000円です。
非埋め込み式の場合、ソール保護には優れますが歩くときに違和感が大きいようです。
参照:楽天市場
※簡易補強
簡易補修は、補修に時間がかかり履きたい時に間に合わない時などにおすすめできます。あくまで応急処置のため、後できちんとした補強が必要です。簡易補修はラバーソール・レザーソール共に可能です。
先小当やトゥースチールなどを行うまでのつなぎで考えておきましょう。
4足分でも1000円しませんので、常備しておいてもいいでしょう。
画像参照:楽天市場
大切な革靴が、履き始めてやっぱり補強しときたいなと思った際に、修理に出すまでこちらで保護しながらできるだけダメージを減らすことができます。
自分でつま先を補強・補修する手順
スチール補強の内、埋め込みでないものは、DIYでも可能。自身で取り付けのできるパーツも売っていて、ソールを削ることはせず、位置のズレが出ないように注意しながら付属のビスで固定するだけ取り付けが出来ます。
取り付け手順
- ソールの汚れを落としてコバの補修
- スチールの取り付け
❶コバの傷補修
コバは、スチールを付けた後に補修しにくくなる部分ですので、色付きのクリームと布でキレイにしてから取り付けに入ります。
所要時間は5分程度です。
具体的には布を指に巻き、色付きクリームをとってコバの傷の部分に色がつくようにしっかりと塗り込みます。その上で他の乾いた布で余分なクリームを拭き取り、さらに磨くことで艶を出すことができます。
≫コバの3つの補修方法
❷ビンテージスチールのDIY
固定するビスがとても小さいので、細いドライバーも準備します。
また、革にビスを打つ作業ですが、思っているよりも力を必要としますので、持ち手も細すぎるドライバーは、回しきることが出来ない可能性がありますので、準備する道具もよく検討してください。
つま先の補強をする前に検討すべきこと
つま先の補強の前にハーフソールの検討やオールソールの検討も必要かもしれません。ここまで必要なケースは、つま先の削れを気にする以上に歩きにくさや、足の裏の痛みなどが出ているともいます。
もしそこまで我慢しながら履き続けてしまった場合は、早めに修理し、終わるまでその靴を履くことを控えます。
ハーフソールの検討
つま先の補強をする際に一緒に検討したのは、ハーフソールを行うかです。つま先補強を行うと、ハーフラバーを貼りたい時に、つま先の補強もやり直すことになってしまい、もったいないこととなります。
≫ハーフラバーソールを貼る前に考えべきこと
オールソールの検討
最終手段として少しの補強では不可能な場合に行う方法です。
ラバーソールもレザーソールも対応可能で、費用は1万5000円〜で、所要時間は1週間〜1か月程度。
ソールの全交換なのでデザインや色合い、質感が合えば見た目も張替前より気に入るかもしれませんが、費用が高額になり、所要時間もかかります。
本来、こうなる前に本来であれば補強をしておくべきですね…
また、つま先の削れがひどい場合はリウェルトという修理が必要になりさらに倍ほどの費用と期間が必要になります。
まとめ
ハーフラバーを貼った場合にもつま先が削れてベロベロになるのを防ぐ効果も。新しい革靴は、ハーフラバーの検討をして、同時につま先の補強も行うべきか考えます。
価格はお店により異なりますが、数千円かかる補修内容です。所要時間も所要時間もお店や込み具合によって大きく変わります。
補強にはいくつか種類がありましたが、それぞれの特長をつかんで自分が好きな補強の仕方を行いましょう。また、補強が手遅れになる程状態が悪化しない前の補強と定期的なメンテナンスが必要です。
簡易の補強はあくまでも補強ではなく応急処置で、状態は良くなっていませんのでくれぐれも過信しないこと。
メンテナンスのタイミングとしては出し縫いされている細革が摩擦してしまう直前、つま先の断面が半分程度削れた時点となり、靴の作り方により判断が変わります。
安いだけでなく、取り付け方や対応が良いなどの交通の便などを考えた通いやすいお店がおすすめ